何事にもきっかけがある。君の場合それは単なる好奇心だった。
君との出会いはいつだっただろう?長い付き合いになるとは君も思わなかっただろう。
道の街灯のひとつひとつがまだ新鮮に見えた夜、君は実体の存在しない目標を追いかけ続ける。
知性と情熱とストーリーの塊。歌とはそういうものだ。
理想郷を指す羅針の針は、私という媒体と君の意思とで作られるものだ。
一抹の震え声が星空を彩った、飽く無き旅路に花束を。
理想というものは輪郭が曖昧だが、それが悪い気はしなかった。
それはさながら野原で風を掴むようなもので、時に注意深く興味の源を探っていた。
ただそこには自由があった。開かれた扉は表現に彩りを与えてくれた。
次の行先はどこにしよう。目的地では屹度祝福が待っているだろう。
信条の異なる派閥、居場所の掴めない悪意は確かに存在する。私に何ができるの?
喧騒がアスファルトにこびり付いた夏の日、私ですらかつての私では無くなっていた。
憚れるモノが遊歩していること、最初に気付くべきだったんだ。
通信途絶のシラブルの前で、私という解読者(かたりべ)は思索を巡らせた。
百色(ももいろ)の土産を送る伝書鳩に、飽く無き祷(いのり)を続けよう。
願わくば、それが人ならざるものと信じたかった。まだ修復できるうちに。
それはさながら意識の集合だ。自らが動かせる手数には限りがある。
信頼はこの世界で絶望しないための唯一の糸だ、今更の理解だった。
無力という名の操縦者(かたりべ)は、これから何を糧として生きるのだろう?
屏風に描いた自己防衛でもいい。此処で最後に笑えばいいの!
理想郷を指す羅針の針は、私という媒体と君の意思とで作られるものだ。
一抹の震え声が星空を彩った、君の残した軌跡を語ろう。
次の行先はどこにしよう。目的地では屹度祝福が待っているだろう。